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鳥海山北麓の獅子舞番楽

国記録選択無形民俗文化財

鳥海山北麓の獅子舞番楽

  鳥海山を中心にした山岳信仰を背景に、由利本荘市とにかほ市に伝承される神楽で、獅子舞番楽や獅子舞、あるいは番楽と呼ばれている。鳥海地域に伝わる本海獅子舞番楽から伝授されたと言い伝えられ、本海流あるいは本海系を称したり、演目等にその影響がみられる。
 演じる時期は地区により異なるが、幕開きを行って活動を始め、幕納めで活動を締めくくる。その間、各地区の神社祭礼、盆などで演じるほか、地区内を練り歩き、家々を訪れて神棚へ獅子舞を奉納する門獅子を行うところもある。
 重要視される獅子舞のほか、各地区とも二十番前後の番楽演目を伝えており、地域的特色が豊かな舞である。


保護団体

 [由利本荘市]
 ・屋敷番楽保存会
 ・坂之下番楽保存会
 ・濁川獅子舞保存会

 [にかほ市]
 ・伊勢居地番楽保存会
 ・釜ケ台番楽保存会
 ・冬師番楽保存会
 ・鳥海山小滝番楽保存会
 ・横岡番楽保存会


屋敷番楽

屋敷番楽(やしきばんがく)
国記録選択無形民俗文化財/県指定無形民俗文化財

 天明三年(一七八三)、由利地域一帯を襲った大きな飢饉により多くの人々が亡くなったため、屋敷集落の人々が荒沢村(現在の矢島町荒沢)におもむいて、鳥海山の修験者本海行人が伝授した獅子舞を習得し、五穀豊穣・悪疫退散を祈願したのが始まりとされています。
 八月十六日と八月二十六日に産土神である「春日神社」に奉納した後、集落内の「舞楽堂」で現地公開が行われています。また、八月二十七~二十八日には集落を練り歩く「門獅子」が行われています。現在、次の二十演目を演じています。

 神舞/獅子舞/翁/先番楽/三番叟/三人立/弁慶/餅つき/矢島小弓/志賀団七/蕨折り/鳥舞/橋引/神々舞/治神楽/空臼舞/腰小弓/ 可笑/熊谷/忍

坂之下番楽

坂之下番楽(さかのしたばんがく)
国記録選択無形民俗文化財/県指定無形民俗文化財

 寛永年間に京都醍醐寺三宝院に属する修験者本海行人が鳥海山麓の各村々に獅子舞・番楽を伝授したといわれる本海流番楽のひとつです。藩政期には御用番楽として矢島藩の庇護を受け、盆と正月には、御殿に参上して演じていたと伝えられています。
 氏神熊野神社の春と夏の祭典で舞を奉納し、八月十四日の夏祭りの後には、集落の会館前でお盆公演が行われています。また、八月十三~十四日には集落内の家々回りをしています。現在、次の十九演目が伝承されています。

 四季/鳥舞/翁/三番叟/地神舞/伊賀/五拍子/山の神/小弓舞/三人立/木曽/那須与市/今田八郎/スズカ舞/蕨折/ソッソク/餅搗舞/可笑/唐臼からみ
 以上十九演目以外にも、新宮・新宅を火伏せのために舞う「柱がらみ」があります。

濁川番楽

濁川番楽(にごりかわばんがく)
国記録選択無形民俗文化財/市指定無形民俗文化財

 寛永年間に京都醍醐寺三宝院に属する修験者本海行人直伝のものとも、荒沢獅子舞から伝授されたとも伝えられています。一月一日と八月十三日に集落内全戸を回り悪魔祓いが行われ、七月八日に行われる「木境大物忌神社虫除け祭り(県指定無形民俗文化財)」において獅子舞が奉納され、祭りを構成する重要な要素となっています。現在、次の六演目を伝えています。

小路渡り/神舞/奉納獅子/祓い獅子/三人餅搗き/家戸獅子

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