石脇神楽（いしわきかぐら）

　石脇神楽は伊勢大神楽とされるもので、本荘石脇の新山神社の祭礼でおこなわれていますが、もともとは三軒町にある神明社と深い関わりがあるとされています。伝承によると、この神楽はいずれかの北前船に奉安され、三軒町の神明社に安置されたものであるといわれています。神楽の四方固めの歌に「天照皇大神」の神名があげられていることからも、伊勢信仰とともに伝承されたものと考えられます。
　神楽は、舞手と楽手からなり、舞手は獅子頭を一人が被り、その後ろに幕つかみがいて、ササラ振りが伴います。ササラ振りには必ず控えの人がついています。楽手は囃子方で太鼓と笛がいます。
　舞は「通り神楽・鈴慕・四方固め・剣の舞・早獅子・お先は」の六番からなり、四方固めと剣の舞には神楽歌がつき、お先はには獅子舞方とササラ振りの問答がついています。四方固めは、四方の悪魔を舞ながら御幣で祓い清めるほか、鈴を採って鳴らす作法もみられます。
　石脇神楽は、四方固めによって託宣をもたらし、さらに早獅子で鎮魂に至る要素が舞に表されているのが特色といえます。