◎11月定期公演では、「獅子舞」「熊谷次郎」「三番叟」など、筆者も大分馴染んできた演目がありました。もちろんその歴史や成り立ち、お囃子や舞の違いがわかるまでには相当な時間を要する気がします。400年もの長い時を経て継承される芸能を是非とも未来へ繋げていただきたいものです。同じ演目でも同じ舞台が二度ないように、それぞれの出演者の見応えのある舞台を拝見することが出来ました。
◎トップバッターは釜ヶ台番楽の皆さんです。本海流の系統であり、さらに本海行人の若い頃の伝授ということからか、獅子の形相も正に「悪霊退散!」の気合い充分です。
◎また、観て下さい熊谷次郎のこの跳躍!・・・本海行人が戦いのエネルギーをこんな風に表したんですね~。疫病や災害に苦しむ人々には大きな救いであり、勇気と元気をもらった事でしょう。終戦後の消滅の危機を有志の力で乗り越え、今こうして受け継がれていることに頭の下がる思いです。
◎そして打って変わって「さかさま番楽」のユニークさは、本海行人がこんな振付もしたなんて『どんだけエンターティナ-?!』です。実際このような道化舞は思った以上に難しいものです。『ばんば舞』『こっから舞』などの腰使いも「しょっしい!」なんて言ってられません。演者さんのこの「うっふん」な雰囲気、腰くねっ、それからちょいと~、そして最後『どやーっ?!』(^0^;)
◎亀田大神楽の皆さんです。こちらの神楽は地元の京極さんという方がお伊勢参りの際に習得し伝えたものだそうです。数百年前の日本人の往来が思った以上に広範囲なことは興味深く、庶民もけっこう遠出(?)してたんだな~と。 初めに御獅子様が出てきたとき、9月ご出演の「潟保八幡神社神楽」を思い出しました。やはりお伊勢参りがご縁となっておりましたので、18世紀はお伊勢さんブームだったのかもしれません。最後にこの立派な御獅子様が会場をまわって、お客様をお祓いしていただきました。大変ありがとうございました。
◎舞台最後は能代から「鰄渕(かいらげぶち)番楽」の皆さんです。演目は露払いに始まり恵比寿で終わるという一連の流れのようです。こちらは平家一門の家臣によって伝えられたとされております。勇壮な動作が多く武士からの伝承であれば女舞がない事も合点のいくお話ですね。舞手の方はお若い方なのでしょうか、「荒面」の動作もキビキビと小気味よく、しかしながら「翁」は腰を曲げしっかりとその味を出しておりました。
○荒面~お囃子に集中し、息を整えています。○ウコン染めでしょうか、鮮やかな黄色に松と若者が映えます。
○翁の威厳もたっぷりと。
◎そして最後に見応えある『恵比寿」の登場。ここから客席は海原と化し、鯛釣りの餌が(おさかなたち)のところに、ばーっとまかれ(おさかなたち)も大喜び(*^o^*)。釣り糸の駆け引きに勝って釣り上げた大物に、恵比寿様も海のおさかなたちもやんややんやの大歓声!!
めで鯛し! めで鯛し!・・・
本日も多数のお客様においでいただき、心より御礼申し上げます。大変ありがとうございました。
※お客様には会場準備の都合上、事前にご予約いただけますようお願いしておりますが、予備のお席も若干数ご用意しております。当日ご都合よろしければ、是非公演鑑賞にお越し下さいますようお待ちいたしております。